苫小牧市真砂町で二酸化炭素(CO2)を分離、回収し地中にためる「CCS」実証試験を展開する日本CCS調査(東京)が情報発信に力を入れている。インターネットの動画投稿サイト・ユーチューブに公式チャンネルを構え、「苫小牧から世界へ」と題した紹介動画などを配信。新型コロナウイルス感染拡大で控えていた見学者の受け入れも再開し、カーボンニュートラル(温室効果ガスの実質排出ゼロ)実現の鍵となる最先端技術を余すことなく伝えている。
同社はコロナ対策のまん延防止等重点措置や緊急事態宣言の発令に伴い、苫小牧CCS実証試験センターで見学者の受け入れ休止を余儀なくされた中、ネットによる情報発信を強化してきた。昨年6月にユーチューブ公式チャンネルを開設し、9月には交流サイトのフェイスブックでも公開を開始。日本語版と英語版の紹介動画を用意し、「苫小牧から世界へ」は視聴1万回を超えるなど苫小牧のPRにも貢献している。
見学者の受け入れは、重点措置が解除された3月22日以降に再開。4月はすでに18件約80人が見学または見学を予定する。昨年11月にノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏が視察するなど、大物の来訪が相次いだことも知名度向上につながっているようで、「再開後は見学希望者も増えている」と手応えを抱く。
一方、CCSに関心のない人へのアプローチが課題。視聴が数百回にとどまる動画もあるため、同社は「さらにコンテンツを充実させ、再生回数を伸ばしたい」としている。
同社は国家事業のCCS実証試験で、2019年に目標量30万トンのCO2を苫小牧沖の海底下に圧入し、モニタリング調査を続けている。現在はCCSで地中に貯留したCO2の有効利用を図る「CCUS」事業を進めており、24年度にも世界初の試みとなる液化CO2の船舶長距離輸送を予定している。
















