地政学上の大激変となったソビエト連邦崩壊は1991年で世界のアイスホッケー分野にも大波を及ぼした。独立した旧ソ連邦構成各国がその2年後から続々と代表をつくって国際大会出場を始めた。
当時、この競技で以前から強豪だった旧ソ連の分裂について日本リーグ関係者に尋ねると「日本より上位国とライバル多数が誕生する時代がくる」と聞いた。予想通りの状況を経て時は流れ、今年の2月、戦争が勃発。国際アイスホッケー連盟は隣国へ軍事侵攻したロシアと加担したベラルーシに強い非難を表し、公認国際大会すべてで無期出場停止の処分を科した。
こうした中でも今月は世界選手権各級が欧州でたけなわだ。コロナ禍で連続中止が相次いだ前の2年間を経て開催される大会が多い。日本出場の大会は男子18歳以下2部相当のディビジョン1グループAがスロバキアで続開中。女子の同年代同部はハンガリーで8日まであり、代表が見事に全勝優勝を飾って若い世代選手の躍進を感じた。
男子シニア代表は3部相当の5カ国で競うディビジョン1グループB(26日開幕、ポーランド)を前に14日、欧州入り。同グループにはウクライナも出場を予定する。長く日本の好敵手的存在で国際アイスホッケー連盟ウェブサイトの記事によると同国代表選手は大会後、母国に帰国義務があるという。今は西欧各国の支援を受け、厳しい戦時下にもあえて大会で独立の気概を示そうとしている。(谷)









