投資と生活設計

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 「つみたてNISA(ニーサ)って何」「iDeCo(イデコ)っていうのは」。以前、札幌で働く長女から聞かれたことがある。ネット検索すればすぐにも分かりそうなものだが、そうとは言わず、「なぜ(そんな質問をするのか)」と逆に聞くと、「何となく知りたかっただけ」と素っ気ない。おそらく職場の中で貯蓄や投資、資産形成といった話題が出ているのだと想像に難くない。

 先日、立ち寄った書店の棚を見ると、「お金新常識」「お金を増やす裏ワザ」「つみたてNISAこの8本を選びなさい」といった資産形成や投資に関する多様な書籍が並んでいた。金融機関の預貯金金利(普通)が一部を除き史上最低水準の0・001~0・002%と限りなくゼロに近い現在。人生100年時代に賃金も上がらず、将来への不安が増す中で、投資に目が向くのは必然なのだろう。

 かつて株や相場と聞くと、「怖いもの」「大損」というイメージがあったが、今はNISAのような少額で堅実な投資に関心が集まっているそうだ。日本証券業協会によると、NISAの総合口座開設が年々増加し若者の間で急速に浸透。今年度からは新学習指導要領に基づき、高校の公民、家庭科の授業で金融教育を実践。「生きる力を磨く」ことにもなっている。

 かつての年金「100年安心」の言葉が信用されなくなり、今度は自分で稼ぎ将来に備えよということか。どこか割り切れず時代の変遷を感じる。(教)

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