独裁

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 時事通信社が行った4月の世論調査によると岸田内閣の支持率は前月を2・4ポイント上回り52・6%。昨年10月発足以来の最高を更新した。

 朝日新聞の調査では支持率はもっと高く55%。こちらも政権発足以来の最高だ。口べたの前任者との比較で数値が伸びているのかとも思うが、上には上があって、ロシアの世論調査機関の3月の調査ではプーチン大統領の支持率が83%を記録したそうだ。調査機関の関係者が支持層を分析していた。「高齢であること。比較的所得が少ないこと。高学歴ではないこと。国営放送の視聴者であること」などがおおよその特徴だという。ウクライナ侵攻に反対する娘や息子がテレビで嘆いていた。「ロシアの親に『国営テレビは見ないで』と言うのに、聞いてくれない。議論がまったくかみ合わないんです」。報道を装った政治宣伝=プロパガンダの恐ろしさ。きっとロシアだけの問題ではあるまい。権力が世襲される国だけでなく、選挙が制度として取り入れられているのに機能せず危険な独裁者が選ばれ続ける例は東欧にも南米にも中東にも、数え切れないほどある。

 死傷者数が不明のまま住居や学校、工場への爆撃が続き、数百万人を路頭に迷わせた戦争の段階が変わったようだ。新聞の大きな見出しに新局面、降伏要求、徹底抗戦、投降拒否などの熟語が目立つようになった。

 なぜ彼は大統領に選ばれたのか。ニュースを繰り返し読み、聞きながら何度も考える。(水)

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