向き合い方

向き合い方

 春の暖かさに身も心も緩み始めたころに、ふいにやって来る寒気。「花冷え」とも言われるが、もう冬物の出番はないだろうと安心している。北上し始めた桜の便りに期待も広がる。

 それでも少し気が重いのが高止まりが続く新型コロナウイルスの感染状況だ。北海道全体の感染者数が、もう千人超えは当たり前になり、中でも胆振管内の数字が突出することもある。若い世代になかなか進まないコロナワクチン接種の問題なのか。せっかくの大型連休もまた悩ましい数字と向き合うことになるのだろうか。

 こんな状況がいつまで続くのか。同僚と交わす会話にもため息と同時に思わず本音が出てくる。もう我慢続きで2年。マスク着用と手洗いは義務のように慣れたが、気分的な圧迫感は晴れないままだ。医療機関に勤める知人からこんな話を聞いた。たとえ90歳を超えていても、コロナに感染となれば延命措置に入る。そこに親族の意向はほとんど反映されない、という。別に法的に決まっているわけではないのに。

 医療機関で対応は違うのかもしれないが、少なくとも面会はできなくなる。年齢によって命の重みに差はないが、最期をどう過ごすのか。本人や家族にとって重要な問題だ。機械による延命はしないで穏やかに過ごしたい。そんな思いも「コロナ」が拒絶する。こうしたプレッシャーをどう緩和していくのか。考えさせられる話だ。(昭)

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