選手目線、「作品つくる」 少年時代からリーダー 元Jリーガー、チェアマンに 野々村チェアマン

選手目線、「作品つくる」 少年時代からリーダー 元Jリーガー、チェアマンに 野々村チェアマン
Jリーグの第6代チェアマンに就任した野々村芳和氏=8日、東京都文京区

 開幕から30年の節目を迎えたJリーグは、初めて元Jリーガーをチェアマンに据えた。3月に6代目として就任した野々村芳和氏(49)。歴代最年少の新チェアマンがこのほど時事通信の単独インタビューに応じ、抱負などを語った。

 野々村氏は「サッカー王国」静岡県の清水市(現静岡市)出身。パリ五輪を目指すU21(21歳以下)日本代表の大岩剛監督とは幼なじみだ。転校先でもすぐに児童会長に選ばれるなど、少年時代からリーダーの気質があった。

 強豪清水東高、慶大を経てプロ選手に。市原(現千葉)と札幌で、中盤の要のボランチとして活躍した。札幌加入を誘った当時監督の岡田武史氏は「野々村の言うことは絶対だ」と口にしていたという。ピッチ上では全権を託され、時に激しく、的確な指示でチームを先導。在籍2年目に主将としてクラブをJ1残留に導くと、29歳の若さで現役を退いた。

 引退後、解説者や札幌の社長を務めて視野を広げてきた野々村氏は、サッカーを「作品」と表現する。質の高いプレーと、スタジアム、サポーターが一体となることで、魅力や美しさがつくり出されるという考えだ。

 元選手ならではの目線も大切にする。長年の懸案だった欧州とシーズンを合わせる秋春制の導入について、「何が日本のためになるか議論したい」と再考を主張。新人選手の契約制度についても率直に疑問を呈す。歯に衣(きぬ)着せぬ物言いはこれまでのチェアマンとはひと味違う。

 「いい作品をつくるため」―。そんな気概を言葉の端々ににじませる。

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