わが家の隣の空き地に住宅が建ちそうだ。しばらく動きのなかった場所だが、着工が決まれば展開は早い。どんな人が越して来るにせよ、近所が活気づくのはうれしい。
その土地では2年前まで、隣町の男性が通いで家庭菜園を作っていた。農業経験者で、手入れの行き届いた立派な畑だった。家の前で洗車をしていると、よくダイコンやカボチャをくれた。一見すると、うちの畑のようだったのでしばしば「○×の育て方を教えてほしい」などと、通り掛かりのマダムらの突撃訪問を受けた。
さらに数年さかのぼると、わが家や空き地を含めたこの一帯には別の世帯が暮らしていた。少し前まではグーグルマップのストリートビュー画像に当時の景色が収められており、あちこち拡大し「おー○△さんが写ってる」「車庫の色が違う」などとタイムスリップ気分を味わえた。久々に見ると画像が更新されており、少しがっかりした。
20年前、苫小牧に越してきたとき、まちの顔だと思っていた駅前の商業施設が次々と姿を消し、東部地区の国道沿いに出店が相次ぐなど商業地図も大きく変わった。ホームセンターやコンビニの再編が進み、100円ショップ、ドラッグストアが増えた。西部地区での新陳代謝も加速しており、十年一昔とはよく言ったものだ。ささやかな未来への期待に胸を膨らませつつ足元の問題などに気を取られていると、季節はまたあっという間に過ぎていく。(輝)









