安全やマナーを意識した健全なレジャーとして「釣り文化」の振興を図る取り組みが苫小牧で始まった。23日から土日・祝日限定で有料開放している苫小牧港・東港、通称・一本防波堤のことだ。
地元の釣り愛好者で組織する社団法人が、管理者の許可を得て先端500メートルを「釣り防波堤」として運営する。開放日には監視員が常駐し救助艇が待機する。有料の釣り施設としての防波堤開放は道内では初めて。当然、トライアル的な意味合いもある。背景にあるのは釣り人のごみのポイ捨てや海中転落、港湾業者、漁業者とのトラブルだ。各地で問題化し結局、釣り場の規制強化につながっている。
一本防波堤は長く”開かずの防波堤”だった。以前は根魚、平物の穴場だけに、当時を知る人は大いに注目しているに違いない。開放は国の「釣り文化振興促進モデル港」の指定で実現した。「地方創生を目的とした港湾施設の活用」はいわばお題目。国や港の管理者は、埠頭(ふとう)の釣り人を誘導し、管理された場での釣りを定着させようという狙いだろう。
道筋をつけたのは日本釣振興会と国交省と苫小牧港管理組合。安全が担保されれば水際は憩いと観光のエリアとなる。親水空間の活用を図りたい。上段に「文化」を唱えるのだから、3者は運営団体が将来的に釣り教室やトーナメント、親子やジュニア向けの催事を実施できるよう支援しマナーやルールの啓発、浸透を促してはどうか。(司)









