知床半島沖で26人が乗った観光船「KAZU 1(カズワン)」が遭難した事故で、第1管区海上保安本部(小樽市)は28日、知床半島東側の海上で新たに発見した男性3人の死亡を確認したと発表した。事故による死者は14人となった。海保などは残る12人の発見を急ぐ。
同本部などによると、同日午後4時半ごろ、知床岬灯台の南南東約23キロの海域で、海上自衛隊の掃海艇が2人を救助。同6時15分ごろ、この付近で海保の巡視船がもう1人を救助したが、いずれも意識はなく、搬送先の病院で死亡が確認された。3人とも救命胴衣を着用していた。
この日は現場周辺の波の高さが4メートルほどに達するなど海が荒れたため、漁船など民間船舶の参加は2日連続で見送られ、海保や自衛隊などが船や航空機での捜索を継続していた。
海保はソナー(水中音波探知機)を使って海底を探査するなど、沈没したとみられる船体の捜索も続けている。海域には水深が100メートルに近い場所も多いため、深い海底を探査できる測量船を派遣中で、早ければ29日から捜索に加わる見通し。
オホーツク管内斜里町によると、事故現場周辺で救助され、死亡が確認されていた1人の身元が28日までに確認された。居住地は兵庫県。これで身元が判明した死者は11人となった。
28日には、運航会社の社長が参加した乗客家族らへの説明会が、前日に続き開かれた。同町を訪れた鈴木直道知事は家族と面会後、遺体が安置されている施設で献花した。
2日連続荒天に「早く捜したい」 28日 もどかしさ募らせた地元漁師
知床半島沖で遭難した観光船事故で28日、新たに乗船者とみられる3人が見つかった。ただ、依然12人の行方は分かっておらず、海が荒れたため地元漁船の活動はこの日も見送りになった。「早く捜したい」「一人でも見つけたい」。漁業関係者にはもどかしさが募った。
漁船による捜索中止は2日連続。ウトロ漁業協同組合の関係者は「みんな協力したい、早く捜したいと思って準備している」と焦りを強める。事故後、多くの組合員が捜索に加わったが、ここ数日は「波が高く、うねりもあって出られない」状況だ。
事故翌日の24日から捜索に参加するサケ漁師の男性(64)は「やっぱり捜索に出たかった」と悔しがる。男性は「一人でも見つけてやりたい」と力を込めた。
地元の男性漁師(69)は、息子を水難事故で亡くした。「身内を失うと、残された者は気持ちが半分死んでしまう」と振り返る。今回は捜索活動に携わってはいないが、「このままでは家族が浮かばれない。早く乗客が全員見つかってほしい」と祈るように話した。
一方、運航会社の桂田精一社長は28日も斜里町内で乗客家族向けの説明会を開いた。同席した国土交通省の担当者によると、家族からは安全管理に関して具体的な説明を求める声が上がったという。桂田社長は午後0時半ごろ、遺体が安置されている施設の献花台を訪問。手を合わせたが献花はせず、報道陣の問い掛けに答えないまま車に乗り込んだ。
















