連休

連休

 暦通りに休むことのできる人はどの程度の率になるのか。今年も大型連休が始まった。北海道は新型コロナの感染者数が減らず、燃料の高騰も続く落ち着かない連休。

 数日だけでも、続いた休みが取れれば家族そろってドライブか帰省。そんな平凡な暮らし方を半世紀ほども続けてきた。

 古賀茂明「官邸の暴走」(角川新書)に、安倍長期政権と続く菅政権の身勝手や失策、無策にいらだっている間に、日本がどんなふうに変わったのかを胸ぐらを締め上げるように教えられてがくぜんとした。日本も世界も、実体は大きく変わっていた。半導体の完敗、原発守って太陽光と風力絶滅、コロナ禍で驚いたデジタル化の遅れ―。小見出しをながめただけで「なるほど」と考えさせられることばかり。あんなに得意だった半導体も液晶画面も韓国や中国の後ろ姿がかすむほど大きく引き離された。花形ともてはやされた大企業が海外資本に取り込まれ―という例の何と多いこと。

 世界一だったはずの自動車産業も電気自動車の販売台数では世界の10位以内に1社も入っていないそうだ。人口減少の進む地方では走る車の数が減り、ガソリンスタンドも減っている。鉄路は赤字で廃線が続く。新幹線は在来線を切り捨てて、増えるのはやはり赤字のバス路線。家庭のコンセントから充電できる低価格の車こそが今、必要なのに、始動で大きく遅れた。

 連休どう過ごす。人口2人の屋内を見回してブツブツ。(水)

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