ゴールデンウイーク(GW)も後半を迎える。新型コロナウイルスの緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が全国のどこにも発令されていないGWは3年ぶりで、東胆振の行楽地もにぎわいを見せている。紙面にも子どもたちの笑顔があふれ、見ていてうれしくなるが、目の端がどうしても1000~3000台を行き来する感染者の数字を捉えてしまう。
この感染症が出現した2020年のGWを思い出してみる。全国に緊急事態宣言が出されていた。5月2日の新規感染者数は道内全体で33人。2桁違う。翌21年の5月2日は326人で、まだ1桁少ない。このうち胆振管内の新規感染者数は20年がゼロ、21年は7人。一方、今年は4月以降、同5、19日を除いて連日100人を超え、減る気配が見られない。200人を超えた日も4回ある。
感染症の知識や対策が少しずつ蓄積され、ワクチンや治療薬もでき、現在流行している株は重症化リスクが低い。そうした2年前との違いを踏まえてもなお、2000、3000という数字に慣れてしまっていいのかと考え込む。
もちろん満開の桜や若葉がまぶしい季節に、家にじっとこもっていなければならない行動制限を歓迎はしない。感染対策と社会経済活動の両立も必要だ。だが、行楽地のにぎわいの先に、4000、5000と膨れ上がる数字が透けて見えるようで、おじけづく。杞憂(きゆう)に終わることを祈る。(吉)









