奮闘

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 Aさんは働きながら子ども2人を育てた。もちろん、夫の理解はあったが、自分の母の協力が何より大きかった。心から感謝している。

 「もし、娘が働きながら子育てをするようになったら、自分もできる限り力になってあげよう。それが母への、言葉を超えた感謝になるはず」。そう決心した。首都圏に住む娘が結婚し孫が生まれた。男の子だった。娘の仕事が忙しい時や孫の体調が悪い時などには、事情が許す限り出掛けるようになった。

 その孫が先月、小学1年生になった。別の用事もあって、3月中旬に出発した。苫小牧ではまだ軒下などあちこちに雪が残っていた。6日に入学式が終わり、通学が1週間を超えて帰宅も考えていると、下校した孫が給食の後で吐いたという。「まさか」と思いながら近所の小児科病院へ行くと、すぐに新型コロナウイルス検査。翌日出た結果は陽性だった。学校で感染したらしい。孫の自宅療養が始まった。16日には娘が「のどが痛い」と言う。検査を受けると、翌々日に陽性の判定が出た。無事は単身赴任中の父親だけ。

 濃厚接触者のAさんも20日、念のために検査を受けたが結果は陰性。帰宅できた月末まで炊事、洗濯、掃除、消毒の繰り返しで手がボロボロになった。

 コロナ禍は想定外だったが、ばーばと、留守を守るじーじの大奮闘は、子どもと孫に親や祖父母の思いが伝わったと思えるまで続きそうだ。あすはこどもの日、8日は母の日―。(水)

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