白老町を拠点にする中学生対象のバレーボールクラブチーム「白桜VC」が、このほど誕生した。地域の競技者減少に歯止めをかけるべく「経験、未経験問わず、バレーの楽しさを伝える」場を提供していく。現在は苫小牧市、白老町の中学校に通う女子6人が在籍し、元気いっぱいに技量向上の日々を送っている。
創設に尽力したのは苫小牧地区小学生バレーボール連盟で理事長も務める武田純一代表。1986年から白老緑丘少年団で指導に携わり、最盛期には男女合わせて40人近くの選手を育ててきた。
しかし、スポーツの多様化や少子化などで地域のバレーボール競技者は年々減少。少年団は大会出場に最低必要な6人を何とか確保し活動を続けてきたが、十数年前に白老地域の中学部活動が消滅し大事な受け皿を失った。「中学でもバレーがしたかった」。その言葉を残して他競技への転向や、スポーツ自体をやめる歴代OB、OGに武田代表は心を痛めていた。
中学での競技継続が難しいことから、少年団入団も敬遠されることが多くなった。今年度は5人と単独活動がかなわず、安平町を拠点にする早来アクティブと合同を組んだ。
「スポーツに励む子どもたちの選択肢を増やしたい」と武田代表は一念発起。新型コロナウイルスの影響で1年ほど結成時期がずれ込んだが、ようやくクラブ立ち上げに至った。チーム名は、白老町の「白」と活動拠点にする白老小(旧白老緑丘小)体育館周辺に咲く「桜」から着想を得た。
初期メンバー全員が白老緑丘少年団卒団生。田中咲妃主将(白老中1年)は「仲間とまた一緒にバレーができてうれしい」と笑顔を見せる。楽しくバレーに取り組むクラブコンセプトを実行するのはもちろん、「どんなことも全力で取り組むチームになりたい」と意気込む。
尾張柚姫(苫小牧凌雲中1年)は、市内の部活動チームに在籍しながらクラブでも技術を磨く構え。「みんなでボールをつないで得点する過程が好き」と競技の魅力を語り、「もっとレシーブ力を上げたい」と張り切る。
その他、各中学校で吹奏楽部や美術部に在籍しながらバレーに取り組む選手もいる。週末を中心に週3日ほど練習日を設定。白老緑丘少年団とも一緒に練習し、「互いに刺激をもらっている。中学に行ってもバレーができるなら―と、小学6年生から少年団に入ってくれた子もいる」と武田代表は喜ぶ。
チームは北海道ヤングバレーボール連盟(U14)に所属し、6月には同連盟主催の大会出場も模索している。武田代表は「町内外問わず、小学校でバレーをやったことがなくても、何かスポーツがやってみたいと思う中学生は気軽に足を運んでほしい」と呼び掛ける。練習見学、体験などクラブに関する問い合わせは白桜VC武田代表 携帯電話090(7654)8954。

















