新型コロナウイルスの影響で収入が減った人や失業した人に無利子で生活資金を貸し付ける、国の生活福祉資金の特例貸付制度。苫小牧では市社会福祉協議会が申請の窓口となっており、2021年度は約800件の申し込みを受け付けた。20年度と比較すると約570件減と大幅に減ったが、市社協担当者は「影響の長期化で、経済的困窮が一層深刻化している」と危機感を募らせている。
特例貸付は一時的な生計維持のための生活費を緊急的に貸し付ける「緊急小口資金」と収入減少が長期にわたり生活の維持が困難な世帯に、立て直しまでの一定期間(3カ月間)の生活費を貸す「総合支援資金」の二本立て。貸し付け金額は世帯の人数などによって異なるが、上限額はいずれも20万円。
制度の申請窓口は全国の市町村社協が担っており、苫小牧市社協では2020年3月25日に受け付けをスタートした。同年4月~翌3月末までの20年度は緊急小口資金943件、総合支援資金426件の計1369件の申請を受けた。
21年度は緊急小口資金の申請件数が334件と約600件減ったが、総合支援資金は464件で、対前年約40件の増。年間の合計申請数は計798件だった。金額ベースで見ると、2年間で約6億5000万円の貸し付けを実行した。
相談者は飲食店やサービス業、観光業、小売業などコロナ禍のあおりをもろに受けた業種で働いてきた人や、保険外交員など訪問型の対人業務に当たってきた人が多いという。最近になり、収入が減った分を貯金を切り崩していたが貯金も使い果たし相談に訪れる人や、売り上げが落ちたため勤めていた会社が倒産し、急に失業した人などの相談が増えていることから、担当者は「じわじわと追い詰められ深刻な状況に陥っている人が、顕在化している」と指摘する。
また、総合支援資金の貸付期間を終了しても生活再建のめどが立たず、さらなる支援を求める人も目立つという。市社協では道社協による低所得者向け貸付制度の申請窓口も担っているが、担当者は「生活再建の当てもない人に、その場しのぎのように(別の資金を)貸し付けるのも福祉の理念から見ると複雑な気持ち」と明かす。
特例貸付の申請期限は8月末。市社協は「減収を理由に仕事を辞め、困窮が深刻化してから相談に来る人も多い。生活再建をスムーズに進めるためにも、早いうちに相談してほしい」と呼び掛ける。
















