かれこれ6年前に取材させてもらった当時70代の米国人男性はカリフォルニア州のタホ湖近くに暮らしていて「タホ湖と支笏湖は似ている」と力説した。何しろ若い頃、千歳の旧米軍基地にいた人だ。
タホ湖を眺めて、はるか離れた支笏湖をよく思い出すと言い、久々の本道再訪のこのときも湖畔行きを熱望した。タホ湖を訪れたことはない記者ながら米映画「ゴッドファーザー PART2」(1975年公開)のロケ地として知っている。「回想」と「現在」の場面が往還しつつ主人公らの喜怒哀楽が美しい湖を背景に描写された傑作。
山間部にあって周囲長111キロ、米国内2番目の最大水深501メートルで水の透明度が高いタホ湖。樽前山と連なる山々が取り囲む周囲長40・4キロ、日本第2位の最大水深360・1メートルで同様に透明度の高い水をたたえる支笏湖。いつか行きたいタホ湖ではあるが、絶景や温泉など、支笏湖の自然にまつわる恩恵に触れられる幸せは代え難い。
今年度からその支笏湖で適正利用に向けたローカルルールが全域に設定されている。一般社団法人国立公園支笏湖運営協議会による「支笏湖ルール」。同協議会ホームページなどで内容を閲覧できる。低水温で岸辺近くでも深さが急に増すなどの特徴を和文と訪日客ら向けに英文で紹介。水難事故回避のために非動力船出艇場所も定め、水辺でのライフジャケット着用も推奨する。お宝の自然を満喫する前に認識しておきたい。(谷)









