本格化定置網漁と並行で地元漁師「探し続ける」
観光船「KAZU 1(カズワン)」が沈没した事故で、地元漁協による行方不明者の大規模な捜索活動は5日で終了した。6日から定置網漁が始まったためだが、不明者はなお12人。「1人でも見つけたい」。漁師らは漁をしながら今後も捜索を続ける。
オホーツク管内斜里町のウトロ漁業協同組合などでつくる「斜里救難所」は事故翌日の4月24日から、捜索活動に専念した。海が荒れて出動できない日を除き、早朝から夕方まで海に出た。横一列で漁船を走らせ、半島を囲む海域を目視で捜索。小船で岸から上陸して不明者の手掛かりを追った。
ウトロ漁協の救助長を務める米沢達三さん(68)は事故当日、救助に向け船を出す準備をしたが高波で断念。「出られなかったもどかしさ、悔しさは今も残る。助けられずつらかった」と悲痛な表情を見せる。事故翌日からの捜索は長期にわたり、「普通ではあり得ない(日数)。漁師はみんな必死だった」と振り返る。
副救助長の古坂彰彦さん(63)は捜索中、おもちゃやゲーム機が入ったリュックを見つけた。乗船していた3歳女児のリュックと思い、「自分にも3歳の孫がいる。本当に悲しくて、毎晩泣いた」と目を潤ませた。サケやホッケを狙う定置網漁が本格化するため、捜索規模を縮小する苦渋の決断だが、「自分たちの海。仕事をしながら捜し続け、1人でも見つけたい」と話す。
地元の男性漁師(31)は漁場へ向かう途中、常に周囲の海を見回している。長男は3歳で、乗船していた女児と同年齢。「まだ母親が見つかっていない。人ごとには思えず何とかしたいが、捜索で手掛かりのない日が続き、悔しかった」。それでも「まだ見つかっていない人がいる。できる限りのことをしたい」とかみしめるように語った。
今後、捜索規模は縮小されるが、ウトロ漁協の深山和彦組合長は「家族は納得しないはず。だから、操業の時は必ず見回りはする」と力を込めた。
















