ロシアのウクライナ侵攻以降に国内の報道機関が行った世論調査で防衛力の強化を求める意見が増加中だ。攻め込まれる恐怖が広まる。
3月中旬に朝日新聞社と東京大学の研究室が行った共同調査でも「もっと防衛力を強化すべき」との意見が64%に上り、強化反対派の10%を大きく上回った。強化賛成が6割を上回るのは2003年の調査開始以来初めてのことだという。ウクライナ侵攻が日本人にとってもいかに怖いことだったか分かる。
では、防衛力や攻撃力の強化は安心に直接つながるかというと、そうでもないようだ。広島県などが調査した核弾頭の保有数が先月中旬「ひろしまレポート」として報道されていた。保有が最も多いのはロシアの6255発。2位アメリカの5550発を大きく上回っている。9日のプーチン大統領の戦勝記念演説では北太平洋条約機構(NATO)加盟国の増加が驚異だと侵攻理由として掲げた。核や生物・化学兵器の使用には触れなかったが攻撃は緩めない。
きのう10日は韓国の尹錫悦・新大統領の就任演説を聞いた。北朝鮮や日本との関係はどう変わるのだろう。フィリピンではフェルディナンド・マルコス新大統領の当選もあった。マルコス氏は独裁者として名前を残す父・マルコス氏と同名の長男。新たな対立の火種になるか。
南西諸島では中国の空母が戦闘機などの発着訓練を繰り広げているそうだ。東アジアも波高し。だからこそ冷静に。(水)









