1980年代のテレビ番組のDVDを見る機会があった。当時流行の刑事物。走っている車など、時代背景が分かって面白い。
しばらく見ていると、今では信じられないようなシーンが出てくる。見舞いの客が病室でたばこを吸ったり、バス内での喫煙とやりたい放題。ちょっと考えられない光景が外国のようにも映って新鮮にすら見えた。よく考えると、当時は電車やバスでの喫煙は当たり前。高校生が公共空間でたばこを吸って注意されていた時代。
続いて視聴したのは同じく80年代のお笑い番組。漫才ブームと呼ばれた時代で、ツービート、B&B、紳助・竜介、ザ・ぼんち―など懐かしい芸人が目に飛び込んできた。しばらくは愉快な会話を楽しめたが、すぐに調子が狂った。ニュースをにぎわせた航空機事故、殺人事件の関係者も笑いのネタになって会場は大爆笑。現代ではコンプライアンス(法令順守)上、取り上げられないものばかり。
令和の今。牛丼チェーンの役員が某講座で「生娘(きむすめ)をシャブ漬け戦略」と発言し、解任された。「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と漏らした元政治家も責任を取って辞任した。三十数年前なら笑い飛ばされていたかも…と勘繰る。
30~40年前の若者、世相、常識、モラル、価値観、コンプライアンスを考える。今と変わらないものは何だろう。今昔の感に堪えない。(高)









