科学

科学

 ヤナギの葉は、北海道では1級河川・鵡川流域に伝わるシシャモ伝説に登場する。飢饉(ききん)の秋に葉をむしって川に流すと、シシャモに変わって飢えた人たちを救ったというアイヌの民話だ。

 そんな話を思い出したのは、北朝鮮の新型コロナ感染急拡大の対策の一つに「ヤナギの葉を煎じて飲む」療法が推奨されているという新聞記事を読んで。「塩水でうがい」も重要な対策の一つだとか。子どもの頃、風邪の流行に備え山あいの小学校でもみんなでやった。効き目は覚えていないが、まずい味はぼんやりと覚えている。煎じたヤナギの葉の味は、知らない。

 北朝鮮はコロナ感染ゼロを誇っていたものの4月の末から発熱患者が増え始め、2週間で全人口2488万人の5%を超えたとの報道もある。ワクチン接種はほとんど行われておらず、検査道具や薬品もないため、発熱で感染を予想するしかないようだ。解熱剤も不足し、ヤナギの葉の出番になったらしい。

 外出自粛と国内旅行を同時に推奨した国に住む身。ご近所の非科学的な民間療法を笑ってばかりもいられない。東京地裁は16日、東京都の営業時間短縮命令は憲法違反と訴えた飲食店に対し「特に必要だったとは言えず違法」との判決を示した。

 胆振管内の新規感染者数は8~14日の1週間で1655人となり、過去最多を記録した。苫小牧市は812人で管内のほぼ半数を占めた。コロナ禍が続く。科学的に恐れ、対処を。(水)

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る