国が苫小牧市などで2024年開始を目指す「CCUS」=二酸化炭素(CO2)回収、貯留、有効利用=拠点化実証事業の液化CO2船舶長距離輸送に向けた受け入れ設備が23日、市真砂町で着工する。21年度の実現可能性調査で「最有力候補地」とした北電苫小牧発電所の敷地内で、日本CCS調査(東京、JCCS)が起工式を行い、24年春までに施設を完成させる。
CCUS拠点化実証事業は、CCUSとしては世界初の試みとなる液化CO2の船舶長距離輸送が目玉。関西電力の舞鶴発電所(京都府舞鶴市)で、石炭火力発電から発生するCO2を年間1万トン規模、固体吸収剤で分離・回収、液化し、約1000キロ離れた苫小牧港・西港へ船舶で運ぶ。
1000トン級の輸送船を使い、24年度にも年間運航10回ほどを予定。液化CO2の輸送は従来、中温・中圧(氷点下20度、2メガパスカル)条件の小規模船舶で行われていたが、今回の実証事業では大量輸送を可能にするため、低温・低圧(氷点下50度、0・6メガパスカル)条件で輸送する技術を開発している。
苫小牧では液化CO2の受け入れ設備を、北電苫小牧発電所敷地内の南側に新設し、岸壁からパイプラインで短距離輸送する。同事業ではCO2を利用し、燃料や化学品の原料になるメタノールを製造する調査研究も並行しており、苫小牧のCCUS拠点化はさらに加速しそうだ。
同事業は、経済産業省が21~26年度、事業費160億円(当初計画)で展開する。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に委託し、昨年6月、苫小牧でCO2を回収、地中にためるCCS事業の実績を持つJCCSを中核に、一般財団法人エンジニアリング協会(東京)、伊藤忠商事(同)、日本製鉄(同)の4者が共同で受注した。
















