苫小牧市で新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。幼保施設や小・中学校で臨時休業が相次ぎ、医療機関でクラスター(感染者集団)も発生した。苫小牧保健所によると、患者の内訳は、20歳以下が過半数で、家庭内感染の多発を示すように、30・40代も約3割。基本の対策徹底を周知するが、年齢が低いほどワクチン接種率も低く、頭を悩ませている現状がある。コロナ不安は大荒れの様相を呈している。
一方、べたなぎの感すらあるのが、任期満了に伴う苫小牧市長選(6月12日告示、同19日投開票)。告示まで3週間余りだが、現時点で出馬を表明しているのは、5選を目指す現職の岩倉博文氏のみ。今年は市長選と参院選が重なる「選挙イヤー」にも関わらず、市内で選挙ムードが高まらずにいる。
取材先で話を聞くと、「力がある人は、何期やってもいい」「他に人がいないのに、無理に選挙をする必要はない」などの声が多い。「無投票は何とか阻止したい」の声もあるが、犬が尻尾を隠すように、対抗馬の姿は見えない。前回の2018年に続き、無風になりかねない気配を、嘆いている。
選挙は地域を発展させるための大きな要素。市民がまちの将来をどうするか考え、市長も市民の声に耳を傾ける機会になる。旧商業施設「苫小牧駅前プラザエガオ」問題をはじめ、まちを二分してもおかしくはない課題も多い。熱い舌戦の実現を、待ち望んでいる。(金)









