白老町のヨコスト湿原友の会(中野嘉陽会長)は20日、国道36号沿いの湿原の入り口と湿原そばの2カ所に設置している手作り案内看板を手入れした。湿原の環境維持に向けて協力を呼び掛ける木製看板に、防腐処理などを施した。
同会は2015年、住民有志を中心に自然愛好家らが立ち上げた。看板は「(同湿原や周辺地域の)希少動植物を大切にしましょう」と呼び掛けるもので、入り口にはクリ材で製作して17年6月に、湿原そばにはナラ材で作って20年9月に設置した。
湿原は33ヘクタールで、ハマナスやイソスミレの群生地が点在し、動植物の貴重な生息生育地として16年4月に環境省の重要湿地に選定されているが、ごみの不法投棄や海岸でのたき火が後を絶たない。外来植物の侵入、水位低下に伴う乾燥化などの脅威にもさらされており、環境維持が難しくなっているためだ。
看板の補修は、風雨や潮風によって腐食が進むことから、会員が2年置きにボランティアで行っている。
この日は、中野会長や看板を製作した会員相吉正亮さんら5人が集まり、はけを使って防腐処理を施したほか、白ペンキで「ヨコスト湿原」などの文字部分を強調した。中野会長は「活動を通して湿原への理解が進んでくれたら」と話している。

















