開戦

開戦

 今朝の午前6時すぎ、いつもより少し早めの朝食を取っているとテレビでニュースを読んでいたアナウンサーの表情が急に緊張感を帯び、「北朝鮮がミサイルとみられるものを発射したもよう―」。

 アメリカのバイデン大統領の初めての日韓歴訪が終わった。台湾防衛をめぐる23日の発言は失言だったのか本音なのか。記者の、アメリカの軍事的関与の有無をただす質問に「イエス。それがわれわれの約束だ」と答えていたはずだが、中国の非難やホワイトハウスの「方針変更なし」の発表を笑顔で受け流して「あいまい戦略」の世界へ帰って行った。日本やオーストラリア、インドと共に中国への監視を強める包囲網の必要性を確認できたようだし、日本は連携の強化に加えて軍事費の拡大も約束したらしい。初の来日の成果は上々といったところか。

 日本も、あいまいの傘に入ったようだ。「戦争のできる国」を目指した法改正の成果を伸び伸びと活用、野党などからの原則的な点検や批評も少なく、内閣支持率はじわじわ上昇する。ロシアのウクライナ侵攻開始は2月24日。3カ月が過ぎても終わりは見えない。何も解決せずに季節だけが変わっていく。

 速報を知らせる耳障りな音が何度も流れる。画面を見ていると、2発目そして3発目の速報も現れた。「戦争は、こんなふうに始まるのかね」「そうだねェ」。トースターが壊れて片側しか焼けていないパンを食べながらの、わが家の会話―。(水)

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