苫小牧市若草町の王子総合病院2階にある理容室「ヘアーサロン王子」を営む理容師西田渉さん(82)が31日で店を閉じる。同院が現在地に移転した1997年10月からほぼ四半世紀にわたって営業し、患者をはじめ多くの常連客に愛されてきたが、「80歳を過ぎ、いつ何があるか分からない」と決断した。「王子は最高の場所だった」と振り返る。
西田さんは留萌管内羽幌町出身。50年以上前、苫小牧市錦町に西田理容室を開業した。場所柄から王子製紙関係者の利用が多く、同院が表町から若草町へ移転する際、院内理容室の募集で声が掛かった。店の経営を次男に譲り、病院が開いている日は休むことなく午前9時から午後5時まで営業。時間外に対応することも多かった。
患者や見舞いの家族らも訪れる中、西田さんは「お客さんは『きれいになりたい』『心身共にリラックスしたい』と思って来る。喜んでもらえれば、それでいい」との一心で接客。客が話す内容は千差万別だが、西田さんは余計なことを語らず、相手を詮索しないように対応した。
院内では顔なじみが増え、「毎日病院に来るのが楽しみだった。ここにいる人は、みんないい人」と笑顔。1人で切り盛りしているため、高齢を理由に「そろそろ潮時」と判断したが、今後も錦町の店で腕を振るう予定だ。「お客さんがいる限り、死ぬまで現役」と話している。
同院は院内理容室の後継者を、6月中旬までをめどに募集中。入居条件など詳細は要相談。問い合わせは総務課の渡辺さん 電話0144(32)8111。
















