苫小牧市は、死んだペットを無料で受け入れている市高丘の動物火葬場を2023年度にも廃止する方針だ。施設の老朽化が進んでいる上、複数の動物の死骸を一緒に炉に入れて火葬する方法は、ペットを家族の一員として扱う現代の風潮になじまないという声もある。一方、廃止した際、経済的理由で有料の民間施設を利用できない家庭への対応が求められるとして、市は今年度中に代替措置も含めた方向性をまとめる考えだ。
動物火葬場は、市街地から国道276号で支笏湖に向かう途中の丘陵部にあり、利用は市民に限っている。施設の近くに設置した大型木箱に死んだ犬や猫などを収めると、市職員が死骸を回収。冷蔵庫に入れ直して保管し、週1回まとめて火葬している。
市環境生活課によると、21年度の受け入れは2732匹で、前年度より24匹減った。内訳は犬457匹、猫1133匹、小動物や道路で死んでいたシカなど「その他」は1142匹。過去15年間では最少となった。
火葬件数は10年ごろまで年間4000匹台で推移。猫だけで常に2000匹を超え、犬は1000匹台に上る年もあった。利用が減少したことに同課の担当者は「火葬はその週に受け入れた死骸すべてを一度に行い、収骨もできない。このため、民間のペット霊園で個別の火葬を選ぶ人が増えているのではないか」とみている。
市は1978年に動物火葬場を建設し、99年に炉を改修した。その後、燃料費や電気代を含む年間の維持管理費約130万円を工面し、状況に応じて耐火ブロックや雨漏りなどの修繕を施しながら維持管理している。
老朽化が進む施設の存廃を検討する上で、市は道内35市の実態を独自に調べた。市単独で動物火葬場を持っている13市の中で、無料としているのは苫小牧市と函館市の2市だけで、その他は利用料を徴収。施設がない自治体は帯広市、旭川市、室蘭市など22市あった。
苫小牧市内には個別火葬などニーズに対応するペット霊園などが複数あり、市は事業者への聞き取りで当面事業を継続する意向を確認。また、他市の状況も踏まえて総合的に検討し、廃止の方針を固めた。担当者は「ペット火葬のニーズは変化しており、市内に受け皿があることも考慮した」と説明する。
市は今年度中に動物火葬場を廃止した際の影響を見極め、代替措置を取りまとめて公表する。担当者は「お金を払って火葬ができない人への支援策を考えていく必要性は感じている」としている。
















