不意に思い立ち、日曜の２２日に栗山町民球場を６年ぶりに訪ねた。第９３回都市対抗野球北海道地区１次予選が続開中。千歳に以前勤務していた頃、「番記者」をした航空自衛隊千歳チームの初戦を見た。

　２０世紀から存続し、道代表権獲得を悲願とする自衛官の野球部。前年は決勝リーグにも進出していることからシードの３回戦が初陣となり、１、２回戦を突破したクラブ強豪の札幌ホーネッツと対戦した。３―３の同点から九回表に暴投と押し出しで２点勝ち越しの辛勝だった試合後に旧知のスタッフと再会し、祝意を伝えると「ひやひやでした」と苦笑いが返ってきた。フィールドに響く選手たちの掛け声やバットがはじき、ミットが受け止める球の音。グラウンドを薫風が吹き抜ける―。球場で目にする野球は素晴らしい。

　夏の東京ドームを目指す社会人の都市対抗をはじめ、あらゆる年代・男女の野球大会が５月の本道では真っ盛りだ。プロ野球ならセ・パ交流戦が一昨日の２４日にスタートし、競技発祥の国の米国では大谷翔平選手らの動向に耳目が集まる大リーグの試合が繰り広げられている。

　昨夏の東京五輪金メダルの国民的球技は今年で伝来１５０年となり、アマチュアとプロの合同組織「日本野球協議会」が各種記念事業を展開中。当地では第６０回大鷲旗争奪苫小牧朝野球大会が３０日開幕。実際に出場するほか、観戦に出掛けたり、本紙で試合評を読んでみたりできる野球の熱戦が始まる。（谷）