知床半島沖で26人が乗った観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故で、第1管区海上保安本部(小樽市)などは27日、海面まで引き揚げた船体を作業台船の上に移動させ、網走港(網走市)まで運んだ。台船上で水抜き作業をした後、28日以降に同港へ陸揚げする。また、同日にも作業台船に載せたまま船内の捜索を行う。
事故ではなお12人が行方不明となっている。関係者によると、同本部などは態勢を拡充した大規模な捜索を月末に実施。地元漁船の参加も予定されている。
カズワンは26日、事故から約1カ月ぶりに海面まで引き揚げられた。船体は海上保安庁と契約した専門業者の作業台船「海進」の左舷に固定され、同日夜にウトロ港(オホーツク管内斜里町)沖の浅い海域までえい航されていた。
作業台船はいかりを下ろして徹夜で準備を進め、27日未明にクレーンで甲板上に船体を移動させ、一連の引き揚げ作業を完了。同日午後、網走港に着いた。
同本部などは、作業台船を網走港に停泊させた状態で、1~2日かけて船体内にたまった水をポンプで抜く作業を実施。その後、クレーンを使って陸揚げする。船体の損傷状況などを詳しく調査し、事故原因の究明や業務上過失致死容疑などでの捜査を本格化させる。また、被害者家族にも船体を見せる方向で具体的な日程を調整している。
カズワンは水深約120メートルの海底に沈没した。水面下約20メートルまでいったんつり上げられたが、24日午前、えい航中に船体を支えるベルトが切れ、水深約180メートルの海底に落下した。強度を高めたベルトを使い、26日夕に海面まで引き揚げられていた。
首相「国交省責任果たせず」
岸田文雄首相は27日の衆院予算委員会で、知床半島沖の観光船事故について、事業者がこれまでに国土交通省の特別監査を受けていたことに触れ「安全意識の欠如を把握できなかったことは、国交省として責任を十分果たすことができていなかった」と述べた。有識者らによる事故対策検討委員会で改善に努める考えも示した。立憲民主党の大串博志氏への答弁。
















