痴漢

痴漢

 手元の学研「改訂新版漢字源」によると痴は愚か。漢は男の意。痴漢とは、女性にみだらないたずらをする男、愚かな男のこととある。

 ハラスメント(嫌がらせ)とかセクハラとか、カタカナ語や片仮名の略語がまん延して意味があいまいになっているが、恥ずかしい男の行為を指す言葉であることに変わりはない。痴漢行為が、取り返しの付かない犯罪そのものであることに気付かない男は、残念ながら多い。

 共産党道委員会が先頃、2~4月に行ったアンケートの結果を発表した。回答者は約120人と多くないが傾向は分かる。回答者の75%に被害の経験があるという。被害場所は路上や電車、商業施設などの順。匿名性の高い都市部に多いと思われがちだが全道的な問題だとか。

 個人だけではなく自治体が絡んだ騒動になることも、きのうの朝刊に教えられた。長崎市の部長(故人)が2007年夏、取材への協力を装って報道機関の女性記者に性暴力を振るって訴えられた裁判で、長崎地裁が5月30日、市に1975万円の賠償を命じる判決を出した。

 この間、注目を集めているのは立法府の長である衆議院議長の問題だ。週刊誌で取り上げられ、国会でも質疑が行われている。狙われたのは女性記者。深夜に「遊びに来ない?」「膝枕させて」などの内容の電話をかけていた―と報道されている。80歳近い議長氏は「事実無根」だと息巻いているようだ。恥とは何か。改めて考える。(水)

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