北海道電力泊原発(後志管内泊村)の運転差し止めを命じた5月31日の札幌地裁の判決後、原告らは札幌市内で記者会見。事実上の勝訴に喜びをかみしめ、「原発のない北海道への一歩だ」と力を込めた。
午後3時すぎ、谷口哲也裁判長が「運転してはならない」と主文を読み上げると、傍聴席から「やった」と歓喜の声が上がった。地裁前では「差し止め認める」と書かれた垂れ幕が掲げられ、集まった支援者らは笑顔で万歳を繰り返した。
判決後の記者会見で、斉藤武一原告団長(69)は「裁判長は私たちの方を見て判断してくれた」と評価し、「原発のない北海道への第一歩だ。喜びたい」と語った。北電の株主でもある原告女性は「株主として、二度と原発を動かさず、廃炉に向かっていくと主張したい」と話した。
原告側の市川守弘弁護団長は「北電は資料や証拠によって『安全だ』と言わなければいけないのに、全く言えなかった」と指摘。「危険だから稼働はやめてほしいという素直な思いに沿った判決だ」と話した。
泊原発は東日本大震災後の2011年4月以降、定期検査のため順次停止。再稼働に向け、現在も原子力規制委員会による審査が続いている。市川弁護団長は、同様に審査の続く中で係争中の中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)廃炉訴訟にも今回の判決が影響を及ぼすとの見方を示した上で、「裁判所が規制委に『ちゃんと審査するように』と言っているように思える」と語った。
「真摯な対応を」泊村長
原発が立地する泊村の高橋鉄徳村長は5月31日、司法判断についてコメントする立場にないとした上で、「泊発電所は原子力規制委員会による新規制基準の適合性審査が継続中で、引き続き状況を注視していく。北電には、今後も真摯(しんし)に審査に対応することを求めていきたい」と述べた。
判決骨子
一、提訴から10年以上経過したが、北海道電力が泊原発の安全性に関し主張立証を終える時期の見通しが立たないため、審理を継続することは相当でないと判断し、判決をする
一、北電は、泊原発の防潮堤地盤に液状化の恐れがないことを立証していない。津波に対する安全性を欠くことから、その運転によって周辺住民の生命・身体を侵害する恐れがある
一、その危険性が及ぶと認められる範囲は泊原発から半径30キロの範囲内である
一、従って、半径30キロに居住する原告らの運転差し止め請求を認める
一、使用済み核燃料の危険性は認められるものの、撤去先を限定することなく撤去を求める請求は認められない
一、廃炉が必要であるとまでは認められない
















