英国専門誌に論文掲載 すがわら内科呼吸器科の菅原院長 COPD治療 禁煙の有効性実証

英国専門誌に論文掲載 すがわら内科呼吸器科の菅原院長 COPD治療 禁煙の有効性実証
英国の医療専門誌に載った論文を自院で紹介する菅原さん

 すがわら内科呼吸器科(苫小牧市しらかば町)の院長・理事長、菅原洋行さん(68)がCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の論文を発表し、英国の医療専門誌に掲載された。肺に炎症を起こすCOPDの患者65人を5年間にわたって治療観察し、データを比較検証することで、禁煙の有効性や治療後を予測する適切な指標を裏付けた。菅原さんは「診療技術の向上につながれば」としている。

 論文は英文で「COPD診療におけるFEV1(1秒量の経年変化量)とインパルスオシロメトリーの検討」。菅原さんが筆頭発表者となり、札幌医科大の医師ら4人とまとめた。菅原さん主導で論文を発表するのは今回が3本目。5月8日発行の「BMC Pulmonary Medicine(呼吸器内科学)」に掲載された。

 菅原さんは2012年から5年間、自院でCOPD治療を受けた65人を追跡で観察した。「COPD患者の治療で喫煙を続けると増悪し、禁煙すると予後が良好という実感はあったが、これまで検証はなされていなかった」と思い立った。喫煙者13人、禁煙者52人を分けて呼吸機能を調べ、COPDにより1秒間で吐く空気量の低下が、禁煙すれば遅らせることができることを数値で示した。

 また、肺炎とぜんそくの併存症はFEV1の低下と関連する一方、肺がんや心血管疾患は関連が認められないことも統計化。気道の抵抗などを示すAX数値が高いほど、治療後の経過が悪くなることなど、COPD予後を予測する指標についても考察し、「禁煙、肺炎の予防、良好なぜんそくコントロールがFEV1の経年低下を抑制し、COPDの予後を改善することが示唆された」などと結論付けた。

 菅原さんは5年に及んだ追跡観察の後、診療後の夜間に毎日2時間ほど、論文の考察や執筆などに取り組んできた。「呼吸量の検査はCOPD患者にとって、つらい」と指摘した上で「どんな患者が悪化するか予測できれば、より効果的な検査や治療が可能になる。臨床データに基づく結果があれば、患者への説得力も高まり、診療技術の向上につながる」と強調する。

 論文は専門誌のホームページで自由に閲覧することができるほか、要約版をパネルにして院内に掲示している。「医療現場の肌感覚を裏付けることができた。治療を続け、データを積み重ね、まとめ、発見に結び付けられてうれしい」と笑顔を見せつつ、「今後も多くの患者の治療に役立てる取り組みをしていけたら」と気持ちを新たにしている。

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