苫小牧市は今年度、市内の中学校で性教育講演会を本格展開する。助産師や泌尿器科医、市健康支援課の保健師を講師に命や性に関する知識を生徒に伝える取り組みで昨年度、試験的に実施。今年度は全16校中9校で計画され、9日には開成中学校(細部善友校長)で3年生44人を対象に行われた。
「好きになるってどういうこと?交際と友達関係は何が違うの?」。講師を務めた市の保健師に問い掛けられ、照れながらもクラスメートと意見を交わし合う生徒たち。「何をしていても考えてしまうのが好きな人」「交際相手は友達よりも優先してしまうかな」。代表生徒が意見を発表するたび、周りの生徒から大きな拍手が上がった。
この日、開成中で行われた性教育講演会の一場面。自分も相手も幸せになる交際関係の築き方や性的少数者、性感染症について3人の保健師が語った。生徒同士で意見を交わすグループワークや、模型を用いてコンドームの正しい装着方法を伝える実演もあった。
同校は昨年度、札幌の助産師を講師に迎え、全校生徒が性交や受精などについて学習。今回はその学びを踏まえ、交際関係や自身の性の在り方について考える内容にした。
受講後、小川さくらさん(14)は「漫画とかで多様な性に触れる機会はあったけど、講演で正しく学べてよかった」と笑顔。「性の話をするとからかわれたりするのであまりしてはいけないと思っていたけど、否定的なものではないと改めて感じた」と言う。
市は望まない妊娠や性暴力被害に苦しむ人を減らそうと2016年度、高校向けの性教育講演会をスタート。参加した高校生から「中学生のうちに学びたかった」といった声が多数寄せられていたことを踏まえ、昨年度、開成中を含む中学校4校で試行した。
講演後、生徒に実施したアンケートでは性交について大人から教えてもらった経験がなく、性の知識はインターネットで得てきた生徒が多いことが判明。好きな人から「性交しよう」と言われたらどうするか―という問いに「断れないかも」「性交する」と回答した生徒が約2割に上った。若年層が正しい知識を持たないまま性交に至るのを防ぐため、市は中学生向けの性教育の重要性を再確認。市内全中学校に講演会について案内したところ、9校から申し込みがあった。
今年度は、市内の全公立高校5校と私立高校1校でも性教育講演会を予定。同課の担当者は「人生で生じるたくさんの選択肢を、自分らしく選ぶことができる力を育む一助になれば」と話している。
















