北海道太平洋沿岸赤潮被害対策会議が13日、日高、十勝、釧路、根室の各振興局を結びオンラインで開かれた。道水産林務部が「被害の実態把握」「漁場の回復」「生産の回復・安定」など五つの赤潮被害対策を盛ったロードマップ案を示した。
昨年9月、本道太平洋沿岸で国内で初めて確認されたプランクトン「カレニア・セリフォルミス」が原因の赤潮が根室から日高の4振興局管内で発生。ウニやサケ、ツブ類に深刻な被害が出た。回復までに複数年を要し、総額で80億円超の甚大な被害をもたらした。
会議では、道総研水産研究本部の木村稔本部長が赤潮の調査・研究結果を報告した。2021年7~8月に北大西洋でかつてない規模の海洋熱波が発生し、海面付近と海面下の海水が激しくかき混ぜられたことで表層に栄養塩が供給され、9月中旬以降に植物プランクトンの発生海域が過去30年間で最大面積の2倍にまで拡大した可能性を示唆。赤潮の原因のプランクトンが北海道東部沿岸の海流で広範囲に拡大した―とのメカニズムを解説した。カレニア・セリフォルミスは水温10~17・5度で増殖可能で、当時の水温で増殖したことが判明したと語った。
併せて被害沖合漁場の緊急実態調査で4振興局管内の結果を詳細に分析しており、過去の漁獲量データも参考に被害額を年内に確定する見通しだ。
道は、資源の早期回復と経営の安定に向け複数年の各種対策を計画的、総合的に推進する考え。被害実態の把握と海洋環境の調査・研究、赤潮発生前の生産水準まで回復する対策と目標達成の手順を示すロードマップを策定する。
具体的には▽被害の実態把握は22年度中▽海洋環境等の調査・研究は全道16海域でのモニタリングを継続▽漁場環境の回復では岩盤清掃やウニ・ツブの種苗での実証調査を支援▽生産の回復・安定で多様な増養殖手法を検討する▽漁業振興資金等の制度資金で経営継続を下支えする―が柱だ。
ロードマップの期間は21年9月から25年度末。魚種や被害の程度は地域ごとに異なるため、実情に即した対策を検討して適切に対応する。23年度以降は地域要望を踏まえ国や市町村、漁協などと連携して推進する。漁場環境回復に要する21、22年度の活動事業費は17億6600万円と見込んだ。
土屋俊亮副知事は「被害地域の漁業者の皆さんが安心して漁業を営めるよう、発生原因の解明と一刻も早い通常生産の回復に向け取り組みたい」と語った。
ロードマップは今定例議会での議論を経て早ければ6月末に成案となる。
















