柔よく剛を制す

柔よく剛を制す

 日付は少し前になるが、アイスホッケー男子の世界選手権が5月29日、フィンランドで閉幕した。決勝で開催国フィンランドが延長の末に4―3でカナダを下し、2006年以来の優勝を遂げた。

 フィンランドといえば、記憶も新しい今年2月の北京五輪で1988年カルガリー大会以来の決勝進出を果たした上にロシアを2―1でかわし、初優勝した。旧ソビエト連邦時代の7度とロシアになって2018年平昌大会の計8度「金」を奪った強国を抑えて頂点に立った。

 ウクライナ侵攻後に当事者ロシアと加担のベラルーシを除外した直近ランキング上位16カ国代表が戦った世界選手権。10戦中8戦に出て完封4度と大活躍した主戦GKオルキヌオラがMVPになった。決勝では先の五輪と同様に、カナダを自陣に引き込んで粘り強く守り、攻めの好機が来れば効果的な一撃を加えるような試合運びをした。

 2点先行後から総攻撃のカナダに同点に引き戻されたものの、延長の6分すぎに劇的な決勝弾を挙げた。大会公式ウェブサイトによればヤロネン監督は「選手権開催国の金メダル獲得は難しいが、われわれはやり遂げた」と言う。しなやかに動いて大きな力をはね返す印象のプレースタイルだった。日本男子代表関係者らがよく「手本」と言うフィンランドの戦法がさえた。

 本道とさほど変わらない人口550万人強の北欧の国が世界的大会二つで「ダブル・ゴールド」の偉業を達成した。(谷)

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