運転に不安がある高齢ドライバーの免許証返納を促すため、苫小牧署は15日、白老町役場に自主返納の臨時窓口を開設した。9人の町民が手続きを行い、町から特典として公共交通機関で使えるクーポンを受け取った。同署が町役場に臨時窓口を設けるのは、昨年10月の安平町に続き2例目。高齢ドライバーの重大事故が後を絶たない中、自主返納への呼び掛けを強化していく。
白老町の臨時窓口は同日午後1時から約2時間、開設された。70歳以上が対象で、返納した町民には1万800円相当の町地域公共交通共通回数券が贈呈された。
手続きをした同町萩野の穴田孝幸さん(91)は「元気なうちに返納しようと思った」と決断。中学校教員だった32歳の時に免許を取得し、60年にわたって運転を続けてきたが、昨年11月に自家用車を手放したことをきっかけに返納を考えるようになった。「高齢者が大きな事故を起こすニュースを見て、明日はわが身と考えていた。今後は公共交通機関を利用したい」と話していた。
同署管内の免許返納件数は新型コロナウイルスの感染拡大で減少傾向にあり、2019年に827件だったのが、20年は636件、21年は548件と落ち込みが続いている。常設窓口は苫小牧署のみで、返納に手間が掛かることから敬遠する高齢者が多かったとみられる。同署は利便性を高めるため管内の交番や駐在所に臨時窓口を設けてきたが、交通1課企画係の近藤寛由係長は「自治体と連携し、役場での窓口開設を継続した取り組みにしていければ」と語る。
高齢者の事故をめぐっては、11日にも苫小牧市澄川町で72歳男性が運転する乗用車が民家に突っ込み、搬送先の病院で死亡が確認された。「アクセル操作を誤った」と話していたといい、同署管内で今年初の死亡交通事故となった。近藤係長は「少しでも運転に不安を感じたら、大きな事故を起こす前に返納を考えてみてほしい」と話している。
















