縁

 「割れ鍋に綴じ蓋(とじぶた)」との言葉は、遠い昔のことになってしまったのか。内閣府がこのほど公表した「男女共同参画白書」の特集編「人生100年時代における結婚と家族~家族の姿の変化と課題にどう向き合うか」を読み、今どきの若い人たちとの隔たりを感じてしまった。

 20~60代の男女を対象とした結婚・仕事・収入に関する調査で、20代女性の5割超、20代男性の7割近くに「配偶者・恋人がいない」という。最近の晩婚化を考えれば、納得する部分もあるが、30代独身男女に聞いた結婚願望では、4人に1人が「したくない・できればしたくない」と結婚に否定的な考えが示されていた。

 その理由を複数回答で挙げてもらうと、「結婚に縛られたくない・自由でいたいから」「結婚するほど好きな人に巡り合っていないから」が多かった。男性の中には「結婚生活を送る経済力がない・仕事が不安定だから」も目立った。

 また、女性は「結婚という形式にこだわる必要を感じないから」「仕事・家事・育児・介護を背負うことになるから」との回答も多かった。「デート経験なし」は20代女性の2割、20代男性の4割を占めた。

 結婚はあくまでも個人の自由意思だが、それを望んでも踏みだせない課題の解消には、社会や政治にも責任があるのではないか。誰もが不安のない生活をどう実現するか。来る参院選で真剣な論議を望みたい。(教)

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