市長選解説 まちへの関心向けられず

市長選解説 まちへの関心向けられず

 苫小牧市長選は岩倉氏が現職の強みで勝利し、行政手腕や4期16年の実績に対する評価が示された。新型コロナウイルス感染症は収束が見通せず、旧商業施設・苫小牧駅前プラザエガオ問題はいまだ解決できないなど、選挙前から変わらぬ課題が山積だが、迅速に成果を出してほしい。岩倉氏自身、今回の選挙を「政治人生の集大成」と位置付け、選挙戦で「4年間しっかり仕事し、次の代にバトンタッチしたい」と語ってきた。苫小牧市の可能性をさらに広げ、伸ばすことを期待している。

 一方、岩倉市政に対する一定数の批判が、浮き彫りになった選挙でもあった。西村氏は過去に政治活動の実績はなく、出馬表明は告示直前で明らかに準備不足だった。共産党から事実上の支援を受けたが、選挙戦の準備作業をほぼ1人でこなすなど、岩倉氏への批判票の受け皿には、到底なり難い実態があった。岩倉氏はより丁寧に、そして謙虚に、市民の声に耳を傾ける必要がある。

 岩倉氏の「野党」的な立場の立憲民主党、共産党が2018年に引き続き、対抗馬を擁立できなかったことが、残念でならない。岩倉氏の多選やIR(カジノを含む統合型リゾート施設)誘致の是非など、選挙の争点に事欠かない中の不戦敗だ。批判はすれど選択肢を示せず、現職を白紙委任しているようでは、責任ある公党とは言えないのではないか。奮起を願う。

 選挙は民意を反映させる民主主義の基本だが、投票率は過去最低を更新した。エガオ問題やコロナ禍をはじめ、まちの将来像や自分たちの生活に、大きな関わりがあるテーマがありながら、市政、ひいてはまちに関心を向けることができずにいる。苫小牧市をより良くするために、行政と市議会が両輪で切磋琢磨(せっさたくま)してほしい。

 特報部長 金子勝俊

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