苫工は2回戦で涙―高校ハンドボール

2回戦〔函工―苫工〕函工の攻撃を必死にしのぐ苫工=19日、湿原の風アリーナ釧路

 第73回北海道高校ハンドボール選手権大会は18日、湿原の風アリーナ釧路で開幕した。19日までに男女のトーナメント1、2回戦が行われ、男子の苫小牧工業は2回戦で函館工業に21―42で敗れた。
 5月の室蘭支部予選を制した苫工は、大会初日の1回戦で開催地枠出場の釧路湖陵に延長戦の末26―25で競り勝ったが、続く函館支部2位の函工には序盤から大きくリードされた。
 男女1枠の全国高校総体(7月29日~8月4日、松山市など)切符を懸けた一戦。男子には道内14チームが出場した。
 関係分の結果は次の通り。
 ▽2回戦
函館工業42―21苫小牧工業
 ▽1回戦
苫小牧工業26―25釧路湖陵

―後半に奮起、一矢報いる 
 大会史上2番目の14度の優勝を誇る名門函工は強かった。
 悪夢のような立ち上がりだった。ロースコアの展開に持ち込みたかった苫工だったが、前半7分すぎまでに9連続失点。どのポジションからでも得点できる個々のスキルの高さに武田監督は「翻弄(ほんろう)されてしまった」とぽつり。
 後半は意地を見せた。相手の堅守を速攻などで崩し、激しい点の取り合いを演じた。「よく諦めずに奮起してくれた」と指揮官。
 3年が抜けた新チームには主力の多くが残る。ポイントゲッターとして期待される185センチの長身、沖(2年)は「(主将の)黒澤さんみたいに自分の決めた1点で試合の流れをつくることができるプレーヤーになりたい」と語った。

―苫工主将・黒澤 最後までチームけん引 
 屈指の点取り屋として苫工をけん引してきた主将の黒澤(3年)は、試合終了後のベンチであふれる涙を必死に拭った。「今まで対戦してきた中で一番強かった。かなわなかった」。
 厳しくマークされることは分かっていた。数人がかりで止めに来る相手の堅守をかいくぐろうと、遠めからの難しいシュートをあえて選択。チーム最多8点を奪ったが「やりたいことをさせてもらえなかった」と悔しがった。
 それでも、集大成の3年目で初の全道一勝はかなえた。「みんなが最後まで走り切った結果」。釧路湖陵との計70分に及ぶ延長戦では12得点とエースらしい活躍を見せた。
 沼ノ端中まではサッカー部。進学を機に「新しいことにチャレンジしたい」と中学時代の先輩の誘いもあって、ハンドボールの世界に飛び込んだ。ボールを扱うのが足から手に変わり、最初はつまずくことも多かったが「やるからには厳しく」と決して妥協しなかった。
 今年3月まで苫工で指揮を執った小田前監督(現七飯)から「取り組む姿勢は群を抜いている」と評される努力で、大黒柱へと成長した。新チームを担う後輩たちにも磨けば光る原石は多い。「自分たちの代よりも、もっと厳しさを持って頑張ってほしい」とバトンを託した。

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