冬の時代から春へ光が差した―。これまで部員がいなかった苫小牧光洋中学校バレーボール部男子が今春から活動を本格化させている。春に1年生7人が入部して単独チームでの公式戦出場が可能になった。5日の東胆振大会では「バレー部史上初の男子単独出場」(同部)を果たし、現在は胆振大会(7月2~3日、伊達市総合体育館)に向けて練習を重ねている。ゲームキャプテンの井上涼矢は「楽しくバレーをしていきたい」とチームワークを重んじる。
苫小牧市内の中学男子バレーは部員数減少の”冬の時代”を迎えている。1970年代後半は単独チームが5校ほどあったものの、90年代には4チームに。さらに2001年には啓明が部員不足から廃部、単独チームは消えた。
同年秋にクラブチーム・苫小牧ジュニアが誕生し、唯一の受け皿として活動してきた。16年春には明倫が復活を果たしたが、18年夏には部員が確保できずに休部を余儀なくされた。
単独チーム誕生の4年ぶりの明るい話題に、苫小牧バレーボール協会名誉会長で現在は同校の部活動指導員として選手を指導している五十嵐卓二さん(69)は「バレーボールを選んでくれる男子生徒がいてくれてうれしい」と目を細める。
しかし、課題は山積みだ。選手全員が今年から競技を始めたばかりの初心者で、ルールからマスターする必要がある。五十嵐さんも「バレーボールの動きは日常生活にないもの。正直まだ大会に出るのは厳しいレベル」としながらも「選手たちは楽しみながら頑張ってくれている」と温かいまなざしで見守る。
5日の東胆振大会では、青翔・ウトナイ・白老合同に0―2と完敗。それでも井上は「初めての試合で緊張感はあったが、とても楽しく試合できた」と満足げ。五十嵐さんも「0点で終わらなかったことが大きい。サーブで得点できたり、相手のミスに乗じたりすることもできた」と収穫は大きかった。
数日後に迫った胆振大会に向け、現在は攻撃の流れをつくる練習に励んでいる。全員がまだ1年生とあって、バレー部顧問の脇澤宣貴教諭は「胆振大会の経験を2年後の糧にしてほしい。礼儀を重んじながら、バレーボールを通じて関わる人に感謝の気持ちを持ってほしい」とエールを送っている。

















