着脱

着脱

 新型コロナウイルス感染拡大が長期に及び、本紙でもマスク姿の写真掲載がすっかり定着した。当初は違和感や抵抗感しかなく、取材の対象者にできる限り、撮影時にマスクを外す協力を求めたが、最近はその労力を省くことが多い。感染対策の優先と言えば聞こえはいいが、やはり慣れの部分が大きいと感じている。

 それでも例外はある。人事異動に伴うインタビューをはじめ、どんな人かを伝える記事は、やはりマスクなしの写真が基本になる。当初は写真説明に「撮影時のみマスクを外しました」と断り書きを入れたが、最近では読者がその前提を理解していただいていることを信じ、記載を省略するようになった。

 その上で、さらに例外がある。現在行われている参院選だ。候補が街頭演説などで、マスクを着けるか、外すか、自己判断に委ねている。昨年10月の衆院選道9区や先日の苫小牧市長選は、一騎打ちの構図を踏まえ、より公平を期すため、候補のマスクの有無をそろえ、載せるようにしていた。本来は報道が配慮する話ではない。

 コロナ禍ならではの選挙戦。屋外で聴衆との距離を十分に空けることでマスクをしない候補もいれば、夏日でも感染対策の徹底でマスクを欠かさない候補もいる。周りがどんなふうに受け止めるか、候補らが自ら考え、行動すればよい。苫小牧市やその周辺への遊説入りはこれからが本番。マスクの着脱一つで、伝わるものも多い。(金)

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