KDDIは5日、携帯電話の通信障害から全面的に復旧したと発表した。最大3915万回線がつながりにくくなり、発生から復旧確認まで86時間と、通信障害としては最大規模となった。総務省は今後、外部有識者で構成する会議を開き、同社の事故対応が適切だったか徹底的に検証する方針。併せて、行政指導など必要な措置を行うとともに、抜本的な再発防止策も検討する。
KDDIの吉村和幸専務は5日夕にオンライン形式で記者会見し、「多大なご迷惑を掛けたことを深くおわびする」と改めて陳謝。利用者への補償については「障害の影響範囲を確認し、別途検討する」と述べた。
障害は2日午前1時35分ごろに起きた。設備交換時に生じた不具合をきっかけに、通信機器へアクセスが集中。負荷低減のため通信制限をかけたことで、通話やデータ通信を利用しづらい状況が広がった。
復旧作業は3日に終えたが、その後も新たな問題が見つかり影響が長引いた。最終的に同社が通信制限を解除したのは4日午後で、障害時間は61時間25分に上った。ネットワーク検証のため復旧宣言は5日午後3時36分にずれ込んだ。
障害は、同社の「au」や「UQモバイル」「povo(ポヴォ)」のほか、同社の回線を利用する楽天モバイルや格安スマートフォン会社のサービスなどにも波及。緊急通報やスマホ決済、物流など幅広い範囲に影響が及んだ。障害に関する顧客からの申告は累計9万6700件超。総務省は電気通信事業法上の「重大な事故」に該当するとみており、行政指導などに踏み切る見通しだ。
携帯大手では、NTTドコモが昨年10月、延べ1290万人がつながりにくくなる通信障害を起こして行政指導を受けた。同省は今回、ドコモの教訓が十分生かされていなかったと問題視。KDDIの対応を検証する。
今回の事故では、同社が復旧作業を終えたと公表した後も通話がつながりにくい状況が続くなど、情報提供の在り方も問題となった。金子恭之総務相は5日午前の閣議後会見で「通信事業者としての責任を十分に果たしたとは言えない」と批判した。
















