真夏の苫小牧駆け抜ける―第39回とまこまいマラソン大会

トップでゴールテープを切る男子の大越=17日、市勇払

 第39回とまこまいマラソン大会は17日、苫小牧市勇払で男女の年代別ハーフマラソン21・0975キロが行われた。男子は30代の部を制した大越護(室蘭労働基準監督署)が1時間12分9秒で最速。女子は30代優勝の柴田美幸(島RC千歳)が1時間28分1秒で最も速くゴールした。

―男子30代V 大越、抜群の集中力
 男子の最速ランナーは、初出場で室蘭市在住の大越。自己ベストには及ばなかったものの、セカンドベストとなる1時間12分9秒の快走だった。
 事前に大会ホームページでコース紹介動画を閲覧し、「道が平たんで直線が長いコースだと分かっていた。日陰もなく、晴天だと走りづらいだろうと思っていた」と分析。当日の曇天も「涼しく絶好のコンディション」とにっこり。途中雨が強く降るも「1位争いの真っ最中で気にならなかった」と抜群の集中力でレースを乗り切った。
 普段は室蘭労働基準監督署に勤務、マラソン歴は7年。大会で優勝するのが久しぶりだという。「とまこまいマラソンは歴史ある大会。初出場ながら優勝できてうれしい。子どもと妻に1番に報告したい」と会心の笑みをのぞかせた。

―女子30代V 柴田”女子最速”に笑顔 
女子の柴田が2019年の第36回大会女子10キロに続いてハーフマラソンでも年代別優勝と女子最速の称号を手にした。「ハーフ優勝は一つの夢だった。うれしい」と満面の笑みを浮かべた。
 悪天候予報が一転、涼しい気温にほぼ無風と好条件がそろった。海岸沿いを走る前半は「景色を楽しみながら」快走。勇払原野を駆ける中盤は単独走となり疲労もたまったが、市街地に近づくにつれて沿道の声援が力になった。
 16年の第33回大会でとまこまいマラソンに初挑戦。当時は女子中学生以上の10キロで6位だった。「もう少し頑張れば優勝できるかも」と地道に練習を重ね、今ではフルマラソンにも参加するほど力をつけた。
 次の夢は大阪国際女子マラソン出場。参加資格記録があり、ハーフの場合は1時間25分以内の公認記録が必要になる。「もっと自己ベストを縮めていきたい」と意欲を見せた。

― 最高齢(83歳)完走・前東「無事に 走り切れてよかった」
 83歳と最高齢で完走した前東昭(江別市在住)は「無事に走り切れてよかった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
 約20年前にマラソンの楽しさを知り没頭。いろんな土地の良さを知ることができる―と魅力を語る。「交通規制も徹底していて、広いコースで走りやすかった。緑豊かな自然に囲まれて、とても気持ちよかった」と笑顔で話した。

 視覚障害・澤田、感謝を胸に走破
 視覚障害のある澤田貴昭(札幌市在住)は伴走者の誘導を受けながら完走。「段差や曲がり道など、声がないと走れないのでとても感謝している」と話した。
 生まれつき先天性の病で右目は見えず、25歳の時の骨肉腫によって左目の光も失った。それでも走ることが好きで6年前にマラソンを始め、練習を続けてきた。「雨で不安だったけど完走できてほっとしている。次はフルマラソンで完走を目指したい」と意気込んでいた。

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