苫小牧市は同性カップルなど法律上、結婚できない人同士の関係を認める「パートナーシップ制度」を2023年1月に導入する方針だ。パートナーシップを宣誓したカップルが、婚姻関係にある人と同じような行政サービスを受けられるようにするための仕組みで、導入されれば胆振、日高で初となる。
市がまとめた制度案によると、対象要件は性的少数者で▽一方または双方が苫小牧に居住▽18歳以上▽結婚していない▽近親者間の結婚を禁止する民法734~736条に該当しない―ことなど。
宣誓書類を提出すると、一方または双方が性的少数者の2人がパートナーシップ関係にあることの公的な証明として、宣誓受領証と宣誓書受領カードが交付される。
宣誓に当たってはプライバシーに配慮し、個室での対応を予定。宣誓書提出時には、市議会本会議場で行う婚姻セレモニー「届け出挙式」の実施も検討している。
すでに制度を導入している他自治体との連携による転出入時の手続き負担軽減なども模索していく。
パートナーシップ制度は法律上は「他人」扱いとなるカップルの関係性を、自治体が独自に認める内容。法律婚と同等の義務や権利を有するものではないが行政サービスをはじめ、住宅ローンや携帯電話のファミリー割引、生命保険の受け取り人など民間サービスで家族として扱ってもらえるケースもある。全国では212自治体、道内では札幌市、江別市、函館市、北見市が導入している。
市は性的少数者であるがゆえに、婚姻という選択に至ることができない市民もいると推測。同性カップル以外にも、将来的に性別変更をできなくなるという理由から結婚をためらうトランスジェンダーなどもいるとみて、誰もが生きやすい社会を目指す上での課題の一つに位置付けていた。
市が1~3月に行った男女平等参画に関する市民意識調査でも、回答者の約7割が性的少数者に対する市民理解を広げる必要性を指摘。性的少数者の生きづらさを解消する方法として、約4割の回答者が婚姻に準するパートナーシップ制度の導入を挙げたこともあり、4月から制度の導入準備に着手。6月、庁内に検討会議を立ち上げた。
制度案は14日、市男女平等参画推進センターで開かれた市男女平等参画審議会で示された。委員は宣誓書受領カードの周知方法や、制度を導入した他自治体で生じた課題などについて質問。「制度を導入しても、結婚とのギャップは埋まらない。やらなければならないことはまだある」との意見も出た。
市協働・男女平等参画室は「制度を運用する中で、新たな課題も生じるだろうが、一つ一つクリアしていくための足掛かりにしたい」と話した。
市は今後、市議会総務委員会での検討や意見公募(パブリックコメント)実施などを経て、来年1月の制度運用開始を目指す。
















