コーヒー豆高騰に悲鳴 苦境の喫茶店「経営立ち行かない」 国際価格上昇 不作や円安で先行き見えず

コーヒー豆高騰に悲鳴 苦境の喫茶店「経営立ち行かない」 国際価格上昇 不作や円安で先行き見えず
店でコーヒーを入れる「炭焼・珈琲焙煎工房 えちおぴ屋」の倉田店主。コーヒー豆の価格が上がっているという

 原産国での不作などを背景にコーヒー豆の価格が高騰し、苫小牧市内の喫茶店も苦境に立たされている。円安の進行も加わって上がり続け、「このままでは経営が立ち行かなくなる」と店主から悲鳴が上がる。やむを得なくコーヒーメニューの値上げに踏み切った店もある。

 表町の「珈琲屋林」。JR苫小牧駅近くの中心街に店を構える老舗の喫茶店だ。山小屋風の造りの店内で、熟練の技で本格コーヒーを入れながら、店主の林健司さんは「豆の仕入れ値が上がって大変ですよ」と顔をしかめた。

 豆の価格は昨年から徐々に上がり、今年になって顕著になった。年明けからほぼ毎月値上がりし、中には100グラム当たり約80円上がり、以前に比べ20%高くなった豆もある。「厳しい状況下でも品質を落とさず、値上げも控えている。しかし、先行きがとても心配だ」と話した。

 日吉町の「炭焼・珈琲焙煎工房 えちおぴ屋」も状況は同じだ。店で飲めるコーヒーメニューを提供しているほか、自家焙煎の豆の販売も行っているが、原料の仕入れ値上昇に苦慮している。店主の倉田健也さんは「今年に入り、価格改定の動きになった。厳しいけれど、価格は据え置きたい」と話すが、今後の情勢に不安は隠せない。

 コーヒー豆の国際価格は昨年から急騰。最大生産国ブラジルでの不作などが背景にある。国内のメーカーは続々と昨年から今年にかけ、家庭用製品も10~20%程度の値上げに踏み切った。ウクライナ情勢も絡んだ輸送コスト上昇や円安の進行が追い打ちを掛け、UCC上島珈琲(神戸市)やネスレ日本(同)などさらに改定を予定するメーカーもある。

 荒波を受けてコーヒーメニューの値段を上げる店も。豊川町の洋菓子・カフェ「お菓子の家 ポムメリィ」は、8月にもコーヒー1杯20~30円ほど値上げする考えだ。店主の岡林たえ子さんは「店で使う材料費全体や光熱費も上がっている。店をつぶすわけにはいかない」と理由を説明する。「ケーキ作りに使う生クリームの仕入れ先から、価格改定の話で来店するという電話があった。どのように打診されるのか怖い」と顔を曇らせた。

 道内の喫茶店でつくる北海道喫茶飲食生活衛生同業組合(札幌)によると、コロナ禍もあって閉店に追い込まれたケースも出てきているという。今後の豆の価格動向について「まったく見通しがつかない」と懸念し、「組合員には国の補助金や融資の活用を呼び掛けているところ。喫茶店文化を残すため、さまざまな手だてを考えていかなければならない」と話した。

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