きのうの本道の新型コロナ感染者は過去3番目の4000人弱となったから、増加ペースは急速だ。「行動制限なしの夏」が到来はしたものの感染拡大の局面で悩ましい問題がまたも生起している。
国内全体は18万人を超えて過去最多を更新した。前回の「第6波」では都内に暮らす身内が罹患(りかん)したと聞き及んで気をもんだ。療養の後、すっかり回復したと聞いて一安心はしたが、それからは日々用心。人が密集する場からの回避や手洗い、規則正しい生活リズムの維持など、日常できる予防策は励行しながら身構えてきた。
本心は旅に出掛けたい。最近なら疫病の「波」の合間も逸機を続けてきた。以前には飛行機で一気に本州方面に行き、車のハンドルを握って本道の北へ東へ―と旅してみた。中でも印象深く記憶に残るのは列車に乗る旅だ。寝台特急「北斗星」がまだ運行中の10年前、勤務後のその足で向かったJR苫小牧駅から夕刻発車の上りで東北に向かった道行きをよく思い出す。
午後9時から夕食予約以外の旅客に開放された食堂車で飲んだ冷えたビールに喉が鳴った。七飯辺りで列車が緩く蛇行して傾斜地を下る間、車窓から函館の夜景が見えて感じ入った。
本紙に20日、北斗市で旧北斗星の列車がゲストハウスに―との記事が載った。宿泊施設としての再出発には多くの鉄道ファンらが資金支援したという。今回の大波を乗り切り、往年の客車の姿を見に旅したい。(谷)









