日本の古典文化研究や普及、啓発活動に貢献した個人、団体を顕彰する「第2回古典の日文化基金賞」に、アイヌの伝統文化の継承に尽力したとして登別市のNPO法人知里森舎(ちりしんしゃ、松本徹理事長)が選ばれた。受賞式は9月2日に京都市内で行われる。
同賞は、京都の学識経験者らでつくる古典の日文化基金賞顕彰委員会(村田純一会長)が主催。古典の日(11月1日)を広めようと2020年9月に創設した。文学・思想、伝統芸能・音楽、美術・生活文化―の3部門に「未来賞」「古典の日制定10周年記念会長特別表彰」を加えた5分野で計7団体2個人が表彰された。
知里森舎は「文学・思想」分野で、アイヌの若者たちのこれからを支える「ウレシパ奨学生制度」を運用する札幌大学ウレシパクラブとの共同受賞となった。
知里森舎は1997年11月、「アイヌ神謡集」を著した知里幸恵(1903~1922年)のめいの故横山むつみ氏が設立。2010年に民間の寄付金により登別市内に「知里幸恵 銀のしずく記念館」を開設した。
受賞は、「アイヌ神謡集」を著し19歳で夭折した知里幸恵を顕彰し、「言葉の存続は民族の存続そのもの」と記した幸恵の思いを今も受け継いでいることが評価された。また、機関誌発行や、ゆかりの地の探訪会、講演会などを主催し「アイヌ伝統文化の継承と発信に貢献した」としている。
受賞を受けて松本理事長は「記念館の木原仁美館長ともども大変光栄に思っている。今後も知里幸恵の思いを多くの人たちに伝えていきたい」と喜び、受賞を契機に幸恵やアイヌ文化への理解がさらに広がり、深まることを期待している。来年は幸恵の生誕120周年と「神謡集」刊行100年に当たることから、同館は「アイヌ文化全般に関心を持ってもらうきっかけになるような活動に取り組みたい」と意気込んでいる。
















