風邪もほとんどひかず病院や医師と関わらずに育った。頑健だけが取り柄だったのにこの2年半ほどは、報道される聞き慣れないウイルス名と注射器に追われる日々。
上腕部に残るワクチンや菌接種の化膿(かのう)痕で年齢が特定できる世代だ。戦後生まれの自分の世代は結核の予防が課題だったようだ。小学校では毎年ツベルクリン反応検査が行われ、その後はBCG接種。詳しい理屈は覚えてないが注射の痛みと化膿の不快は忘れない。
いったん下火になったかに見えた新型コロナウイルスが、またニュースの中心に座るようになった。新規感染者数が各地で過去最多を記録し「このままで行けば―」との条件付きで示される数値の上限付近の数を毎日記録し、過去最多を更新中。マスク装着や手指消毒、換気の徹底などは別にして、政府は「新たな行動制限は行わない」と繰り返す。勇気は評価するが、理由を理解できるように説明してくれればもっとありがたい。
「重症化しやすい高齢者、持病のある高齢者はワクチン接種を早めに」も不変の部分。4回目の接種を数日前に終えた。1~2回目は昨年6月。3回目は今年2月。回を増すごとに要領は良くなり、当初あった発熱も自分はなくなった。ウイルスの亜種の登場によっては―と5回目の接種やインフルエンザワクチンとの統合案も聞こえる。
昨年夏の東京五輪開幕からきょうは満1年。長い1年が過ぎウイルスはいよいよ健在。(水)









