岩手県で被災者に学ぶ 苫小牧市こども研修 語り部ガイドや学習列車体験

千代川さんの話に耳を傾けながら車窓から景色を眺める参加者

 東日本大震災の東北被災地で行われている苫小牧市こども研修の参加者(小学5年~中学3年35人)は29日、岩手県内での研修を開始した。田野畑村で語り部の話に耳を傾けた後、三陸鉄道(宮古市)の震災学習列車に乗車。ガイドの震災体験談に固唾をのみ、大災害時に命を守るにはどうすればよいのか―という難問と向き合った。
(報道部・樋口葵)

 午前中は、NPO法人体験村・たのはたネットワークの赤坂広太副理事長(36)と根木地徳栄さん(75)による「大津波語り部ガイド」に参加した。

 田野畑村は東日本大震災で震度4の揺れを観測。津波の最大遡上(そじょう)高(津波が陸上を駆け上がった際の最大到達高度)が25・5メートルに上り、当時高さ約8メートルの防潮堤を軽々と乗り越えたという。

 自身も被災した根木地さんは、震災前や震災直後の写真を手に変化する町の様子を紹介。「平和に暮らしており、津波が来るとは思っていなかった」などと振り返りながら、田野畑駅周辺の被災現場を案内した。震災後に整備された高さ約16メートルの防潮堤を見たり、発災時に多くの人が避難した熊野神社を訪れたりした後、根木地さんは「何メートルの高さの防潮堤なら安全かは誰にも分からない。津波が来たら逃げることが肝心」と強調。赤坂副理事長のガイドで震災遺構「明戸海岸防潮堤」も見学した。

 震災の教訓を伝え、地域の防災、減災に役立ててもらおう―と2012年から運行されている震災学習列車には同社の千代川らんさん(23)が添乗。田野畑駅~宮古駅の約50キロ区間乗車した。

 小学6年生のとき、震災に遭遇した千代川さんは「震災直後は海を見るのがつらかった。それでも(震災から)1年たって町が復興してくると前向きになり、やっぱり海は好きだし、身近な存在だと思った」と回顧。「自分の命は自分で守れるようにしてください」と訴え、震災後の三陸鉄道の様子や宮古市の状況についても伝えた。

 「堤防を壊してしまう津波の破壊力に驚いた」と明倫中1年の本間陸翔さん(12)。明野小5年の田中莱葵さん(11)も「津波が来たら高い所へ逃げ、自分のことは自分で守ることを家族や友達にも伝えたい」と話した。

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