戦後77年を迎え、太平洋戦争の悲劇を語り継ぐ人が少なくなる中、10日、苫小牧市内で子どもたちに平和について考えてもらう二つの行事が計画されている。いずれも市民らによる手作り企画で、絵本やエッセイの朗読、戦時下を生きた人たちの体験談発表などが予定されている。
斉藤征義の宮沢賢治と詩の世界館(王子町、丸山伸也館長)は午後1時半から同館で、「子どもたちに戦争体験を語り継ぐ会」を開く。風化していく戦争体験を次世代へつなごう―と、初めて企画した。
室蘭市出身の児童文学作家で太平洋戦争末期の1945年7月に室蘭が受けた米軍による艦砲射撃を題材とした作品を発表している富盛菊枝さんや、父親が戦争を経験している苫小牧のフリーラーター長木けいさんらが講話する。
現在の東京都墨田区で生まれ育ったという、苫小牧市音羽町の谷口麗子さん(87)は10歳の時に体験した東京大空襲について話す。火の粉が舞い、熱風が吹きすさぶまちの中を逃げ惑った経験を初めて人の前で語る。谷口さんは「本当は思い出すのも嫌なつらい体験だけど、二度と戦争を繰り返さないためにも話しておかなければならない」と力を込める。
絵本の読み聞かせや勤労奉仕を課せられた若い女性たちの悲劇を描いたDVDの上映も予定している。
入場無料。定員30人。申し込み、問い合わせは同館 携帯電話080(8746)6558。
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市内の朗読サークル花音の会(石山ひろ子代表)と私設文庫「ピッピ文庫」(柏木町)を運営する上田正一さんは、同日午後1時半から、市立中央図書館で「あの日のことを絵本と朗読で語る会」を開催する。
子どもが親と離れて疎開する寂しさを描いた「字のないはがき」や、戦史研究家の故・半藤一利さんの絵本「焼けあとのちかい」を朗読。
東京大空襲を生き延びた経験をつづった向田邦子のエッセイ「ごはん」、今年6月の沖縄全戦没者追悼式で7歳の少女が発表した詩「こわいをしって、へいわがわかった」なども取り上げる。
会場には、出征間際に終戦を迎えたという上田さんの父が残した、千人針と寄せ書きも展示予定。両団体が戦争と平和をテーマとした朗読会を合同で開くのは初めてで、上田さんは「平和について考えるきっかけにしてほしい」と語る。
石山さんも「戦争を遠い世界の出来事と感じる子どもも多いかもしれないが、決して人ごとではないことを知ってもらいたい」と話す。
入場無料。希望者は直接会場へ。問い合わせは上田さん 電話0144(74)2235または石山さん 携帯電話090(8373)7656。
















