キンキンに冷やしたビールが恋しくなるこの季節。普段の晩酌は日本酒一択の当方も、おとといは久々にビールを満喫した。あてはぷりぷりのホッキ貝。朝取りされた二つを、自分で殻から外し、バター焼きにした。濃厚な甘さに、程よい歯ごたえ。栄養素もたっぷりだ。水揚げ日本一を誇る苫小牧のホッキ漁が3日、約1カ月ぶりに再開した。
7月7日にいぶり中央漁協が漁獲したホッキ貝からまひ性貝毒が検出され、苫小牧、鵡川を含めた3漁協が漁を休止した。太平洋西部海域として安全性を見極めるため、3週連続の検査で規制値を下回るまで、出荷を見合わせてきた。今月2日に規制は無事、解除された。
そもそもホッキ貝のまひ性貝毒は、常識的範囲の食事であれば、命に関わる毒素ではない。国の規制値は1グラム当たり4MU(マウスユニット)。ちなみに休漁の端緒になった毒性値の結果は10・2MU。この聞き慣れない「MU」という単位。体重20グラムのネズミに毒素を腹腔投与し、死ぬ量が1MUであることが名前の由来。人の致死量は3千MUからとされている。
規制自体が厳格なことに加え、貝毒の原因はホッキが毒性プランクトンを食べ、非過食部のうろから毒素が蓄積するため。本来はうろばかり大量に食べなければ、大丈夫という理屈だ。ともあれ3漁協は今後も毎週、貝毒を検査する。より安全なホッキ貝が流通する環境を、歓迎したい。(金)









