かつて古い友人からこんなメールが来た。「息子が札幌市の教員採用に受かったが、教員はブラックか?」。返答に困った。
聞くと「朝6時すぎに家を出て、帰宅は午後11時を回る。健康が心配。1年生で大変なのは分かるけど…」とぼやいた。
少子化が進む半面、公立小中学校の教員の勤務状況が過酷になっているという。デジタル対応等で業務が拡大、休憩時間もままならない。文部科学省の資料によると、精神疾患で休職する教職員の数は1990年代は千人台だったが2000年度くらいから急増、08年度以降は五千人前後で高止まり傾向。
また、研究者のアンケートによると「この2年間で教師を辞めたいと思ったことがある」の質問に65・8%があると回答しており、長時間労働の疲弊が透けて見えた。
実態を教師の友人に聞いた。「長時間労働に加え、保護者の対応、子どもの行動・考え方が昔と変わってきている。昔は軽いげんこつ一つで取れたコミュニケーションも今は体罰問題などが絡む。子ども相手だけに現場では決して手は抜けないが、一生懸命に打ち込めない側面もある。これに部活動指導やいじめなどの対応も加わる。メンタルがきつい」と本音が漏れた。
一方、先日取材で会った教員。「子どもがたくさんいて、部活動がある学校が楽しい」と豪快に笑った。ネガティブな情報から解放されて、ちょっと救われた。(高)









